2022-09-13

ボリュームライセンス版 Visio 2019、Project 2019 または Visio 2021、Project 2021 と Microsoft 365 Apps を共存インストールする方法について

こんにちは、Office サポートチームです。
本記事では、ボリュームライセンス版の Visio 2019 / Project 2019 または Visio 2021 / Project 2021 と Microsoft 365 Apps を共存インストールする方法についてご案内します。

ボリュームライセンス版の Visio 2019 / Project 2019 または Visio 2021 / Project 2021 と Microsoft 365 Apps は、共存してインストールすることが可能です。

前提条件

共存インストールのためにはバージョンによって以下の前提条件があるため、ご注意ください。

Visio 2019 / Project 2019 を共存インストールする場合
Microsoft 365 Apps バージョン 1808 以上を使用している必要があります。
Visio 2021 / Project 2021 を共存インストールする場合
Microsoft 365 Apps バージョン 2108 以上を使用している必要があります。

また、同一端末に共存してインストール可能なクイック実行形式の Office 製品は、同一のチャネル、バージョン (ビルド)、bit である必要があります。
Microsoft 365 Apps と Visio / Project を異なるバージョンとする等、複数のチャネルやビルドバージョンを同一端末にインストールすることはできません。

以下にインストールの詳細手順をご案内いたします。

インストール手順

※インストール手順は Visio 2019 をインストールする手順を示します。 Visio 2021, Project 2019 / Project 2021も同様の手順でインストールすることができます。

現在インストールされている M365Apps の更新チャネル、ビルドを確認します。
いずれかの Microsoft 365 Apps のソフトウェアを起動し、[ファイル] - [アカウント] の順にクリックし、[Wordのバージョン情報] (Word の場合) 欄に表示されている更新チャネル、ビルドを記録してください。

例
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2
バージョン 2018(ビルド 14326.21080 クイック実行)
半期エンタープライズチャネル
更新チャネル：半期エンタープライズチャネル (SemiAnnual)
ビルド：14326.21080
インストール関連ファイルを保存するためのフォルダを用意します。
※ この手順では “C:\Visio2019” を使用する例でご説明します。
以下のサイトの [Download] から、Office 展開ツールを入手して、手順 2 で作成したフォルダに保存します。
Office 展開ツール (ODT)
https://www.microsoft.com/en-us/download/details.aspx?id=49117
ファイル名 [officedeploymenttool_xxxxx-xxxxx.exe]
ダウンロードしたファイルをダブルクリックします。
マイクロソフトソフトウェアライセンス条項の確認画面が表示されるので、チェックボックスにチェックを付け、[Continue] をクリックします。その後、手順 2 で作成したフォルダを指定してファイルを展開します。
※ この手順では、”C:\Visio2019” フォルダに保存する例でご説明します。
- 展開後に生成されるファイル
  - configuration-Office365-x64.xml
  - configuration-Office365-x86.xml
  - configuration-Office2019Enterprise.xml
  - configuration-Office2021Enterprise.xml
  - setup.exe

ダウンロード用構成ファイルを作成します。

※この手順はツールを使った構成ファイル作成方法もございます。後述の「Officeカスタマイズツールを使った XML ファイルの作成」をご参照ください。

展開した上記ファイルのうち、いずれかの XML ファイルをメモ帳で開き、全ての内容を削除した後、以下のサンプルコードの <Configuration> から </Configuration>までをコピーして、貼り付けます。編集したファイルを、任意のファイル名で .xml ファイルとして保存します。 Channelの要素は手順 1 で取得したチャネル、Versionの要素は “16.0.” + (手順 1 で取得したビルド)となります。

※ この手順では、”Visio-configuration.xml” という名前で保存する例でご説明します。

<Configuration>
  <Add SourcePath="C:\Visio2019" OfficeClientEdition="64" Channel="SemiAnnual" Version="16.0.14326.21080">
    <Product ID="VisioPro2019Volume" PIDKEY="9BGNQ-K37YR-RQHF2-38RQ3-7VCBB">
      <Language ID="ja-jp" />
    </Product>
  </Add>
</Configuration>

※ 冒頭の「Add SourcePath=」以下のパスには、手順 3 で指定した setup.exe の保存パスを指定します。
※ 上記のサンプルは、Visio Visio 2019 の 64 ビット版、半期エンタープライズチャネル、日本語版をダウンロードするための構成ファイルとなります。
ご利用の Visio/Project のエディションによって、以下のように Product ID と PIDKEY を変更してください。

Product	ID	PIDKEY
Visio Standard 2019	VisioStd2019Volume	7TQNQ-K3YQQ-3PFH7-CCPPM-X4VQ2
Visio Professional 2019	VisioPro2019Volume	9BGNQ-K37YR-RQHF2-38RQ3-7VCBB
Project Standard 2019	ProjectStd2019Volume	C4F7P-NCP8C-6CQPT-MQHV9-JXD2M
Project Professional 2019	ProjectPro2019Volume	B4NPR-3FKK7-T2MBV-FRQ4W-PKD2B
Visio Standard 2021	VisioStd2021Volume	MJVNY-BYWPY-CWV6J-2RKRT-4M8QG
Visio Professional 2021	VisioPro2021Volume	KNH8D-FGHT4-T8RK3-CTDYJ-K2HT4
Project Standard 2021	ProjectStd2021Volume	J2JDC-NJCYY-9RGQ4-YXWMH-T3D4T
Project Professional 2021	ProjectPro2021Volume	FTNWT-C6WBT-8HMGF-K9PRX-QV9H8

※ 上記 PIDKEY は KMS 認証を行うための GVLK となります。MAK 認証を行う場合、個別の専用プロダクトキーを入力ください。詳細は後述の「ライセンス認証について」の b) に記載されております。

KMS および Office、Project、Visio の Active Directory によるライセンス認証用の GVLKs
https://learn.microsoft.com/ja-jp/DeployOffice/vlactivation/gvlks?redirectedfrom=MSDN

下記公開情報をご参照のうえ、適宜 XML ファイルの要素を変更してください。
Office 展開ツールのオプションの構成
https://docs.microsoft.com/ja-jp/deployoffice/office-deployment-tool-configuration-options

以下のコマンドを実行して、インストール実行モジュールのダウンロードを行います。
[FilePath] 部分には、setup.exe の保存パス、および、Visio-configuration.xml の保存パスをそれぞれ指定します。
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2
> [FilePath]setup.exe /download [FilePath]Visio-configuration.xml
例 : > C:\Visio2016\setup.exe /download C:\Visio2019\Visio-configuration.xml
コマンド実行後、プロンプトが戻ってくるまで少し待ちます。(完了時にメッセージは表示されません。)
ダウンロード完了後、「Add SourcePath=」で指定したフォルダ内に “Office” フォルダが作成され、インストールモジュールが保存されます。
ダウンロード作業とインストール作業を行う PC が別である場合、ダウンロード完了後の C:\Visio2019 フォルダの内容をすべてコピーし、インストールを行う PC にも C:\Visio2019 フォルダを作成して貼り付けてください。

以下のコマンドを実行して、ダウンロードしたモジュールからインストールを実行します。

1 2	> [FilePath]setup.exe /configure [FilePath]Visio-configuration.xml 例 : > C:\Visio2019\setup.exe /configure C:\Visio2019\Visio-configuration.xml

インストールが完了したら、Visio 2019のライセンス認証を行います。
ライセンス認証するために、Office ソフトウェア保護プラットフォームスクリプト (ospp.vbs) を使います。
64 ビット版では Program Files\Microsoft Office\Office16 フォルダに、32 ビット版では Program Files (x86)\Microsoft Office\Office16 フォルダにあります。以下が認証するためのコマンドになります。

ospp.vbsのあるフォルダに移動します。
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cd C:\Program Files\Microsoft Office\Office16
ospp.vbsを実行して、ライセンス認証を行います。
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cscript ospp.vbs /act
実行結果として、VisioPro2019 について Product activation successful と表示されると認証成功となります。
※ ライセンス認証の詳細に関しましては、後述の「ライセンス認証について」をご参照ください。

Officeカスタマイズツールを使った XML ファイルの作成

Office カスタマイズツールにアクセス

Office カスタマイズツール ( https://config.office.com )にアクセスしてください。
展開の設定

構成する製品、言語、およびアプリケーションの基本設定を選択します。

今回のインストール手順では以下の設定項目が最低限必要となります。その他の項目は適宜設定を追加してください。
- 製品とリソース
  
  アーキテクチャで対応するビットを選択、製品は今回のインストールする Visio / Project を選択してください。
  
  ※各構成ファイルでデプロイできるアーキテクチャは 1 つだけです。
  
  更新チャネルでは手順 1 で取得したチャネルとバージョンを選択してください。
  ※ Office 2019 永続エンタープライズチャネル / Office LTSC 2021 永続エンタープライズチャネルが選択されていると、Microsoft 365 Apps と共存できません。
- 言語
  
  主言語を選択してください。オペレーティングシステムに合わせるを選択すると、クライアントデバイスで使用されているのと同じ言語が自動的にインストールされます。
- インストール
  
  Office ファイルをクラウドから直接インストールするか、ネットワーク上のローカルソースから直接インストールするかを選択します。今回のインストール手順では [インストールのオプション] - [ローカルソース] よりソースパスに C:\Visio2019 と入力してください。
- ライセンスとアクティブ化
  
  プロダクトキーは試用する認証方式を選択してください。MAK 認証を選択した場合は適切なライセンスキーを入力してください。
構成ファイルのエクスポート

右側のウィンドウで構成済みの設定を確認し、[エクスポート] を選択してください。
使用許諾契約書の条項に同意し、構成ファイルに名前を付けてから、[ エクスポート ] を選択してダウンロードしてください。今回の手順では Visio-configuration と名前を設定します。
構成ファイルの配置

ダウンロードしたファイルを C:\Visio2019 に移動し、インストール手順 6 よりインストールを進めてください。

Office カスタマイズツールの概要

https://docs.microsoft.com/ja-jp/deployoffice/admincenter/overview-office-customization-tool

ライセンス認証について

ボリュームライセンス版の Office では、KMS 認証や MAK 認証などによりライセンス認証が実施可能です。
KMS 認証を行う場合、事前に KMS ホストを構築し、認証を行える環境を構築いただく必要がございます。
それぞれの詳細につきましては、以下をご参照ください。

a) KMS ホストを構築し、ライセンス認証を行う手順

通常のボリュームライセンス用の KMS ホストを構築することで、ライセンス認証が実施可能です。
KMS でのライセンス認証を行うためには、Office 2019 を利用する 5 台以上のクライアントが存在する必要があります。
ボリュームライセンス版の Office のライセンス認証の KMS ホストの構築や、ライセンス認証の詳細手順については、以下をご参照ください。

Office のボリュームライセンス認証の概要

https://docs.microsoft.com/ja-jp/deployoffice/vlactivation/plan-volume-activation-of-office

ボリュームライセンス版の Office のライセンス認証を行うように KMS ホストコンピューターを構成する

https://docs.microsoft.com/ja-jp/DeployOffice/vlactivation/configure-a-kms-host-computer-for-office

b) MAK を使用したコンピューターのライセンス認証手順

Office 展開ツールで使用される configuration.xml ファイルの PIDKEY を指定し、認証を行います。
今回のインストールの手順ではサンプル XML ファイルの「PIDKY=　」に KMS キーではなく MAK キーを入力してください。
詳細手順については、以下をご参照ください。

MAK を使用してボリュームライセンスバージョンの Office をアクティブ化する

https://docs.microsoft.com/ja-jp/DeployOffice/vlactivation/activate-office-by-using-mak

Office LTSC 2021 を展開する

https://docs.microsoft.com/ja-jp/DeployOffice/ltsc2021/deploy

Office 2019 を展開する (IT 担当者向け)

https://docs.microsoft.com/ja-jp/DeployOffice/office2019/deploy

参考情報

今回ご案内した詳細につきましては、以下の公開情報に記載しております。

同一コンピューター上に異なるバージョンの Office、Visio、Project をインストールするためのサポート対象シナリオ

https://technet.microsoft.com/ja-jp/library/mt712177(v=office.16).aspx

Office 展開ツールを利用する際の xml ファイル、および、コマンドの書式については、以下の技術情報をご覧ください。
概要: Office 展開ツール

https://technet.microsoft.com/ja-jp/library/jj219422.aspx

Visio の展開ガイド

https://learn.microsoft.com/ja-jp/deployoffice/deployment-guide-for-visio

Project の展開ガイド

https://learn.microsoft.com/ja-jp/deployoffice/deployment-guide-for-project

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Japan Office Client Support Blog

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