こんにちは、Office サポートの西川 (直) です。
本記事では Office の更新プログラムの種類について解説します。
Office の更新プログラムの違いについて
新機能が追加される機能更新が存在するのは Microsoft 365 Apps クライアントのみです。
バージョン | 機能更新 | セキュリティ更新 | セキュリティ以外の更新(修正) |
---|---|---|---|
Microsoft 365 Apps クライアント | ○ | ○ | ○ |
Office 2019/2021 LTSC | - | ○ | ○ |
パッケージ版 Office 2016/2019/2021 | - | ○ | ○ |
Office 2016 | - | ○ | ○ |
Microsoft 365 Apps クライアント
更新はチャネルに沿ってバージョン、ビルドを上げることで行われます。また、過去の変更は累積となります。
このため、Excel のみ等、特定の製品のみ更新することは出来ません。また、累積のため、バージョン 2302 から 2308 を飛ばして 2402 に直接更新することも可能であり、2308 の変更も含まれます。
機能更新、セキュリティ更新、セキュリティ以外の更新(修正) の 3 種類がありますが、表のように、チャネルに沿ってバージョンアップを伴う更新とビルドのみの更新の 2 つに分けて公開されています。
同日に複数の更新プログラムが公開されている理由は、過去のバージョンから、機能更新を行わず、セキュリティ更新、セキュリティ以外の更新(修正)のみの更新をサポートするためです。
1) 機能更新
バージョンが上がる更新が機能更新です。これには機能更新、セキュリティ更新、セキュリティ以外の更新(修正)が含まれます。
例えば、最新チャネルの 6/26 において、バージョンが 2405 から 2406 に上がっておりますので、これは機能更新となります。
2) セキュリティ更新
ビルドのみ上がる更新がセキュリティ更新です。これにはセキュリティ更新、セキュリティ以外の更新(修正)が含まれます。
例えば、最新チャネルの 6/19 では、バージョンは 2405 のまま、ビルドのみ上がっておりますので、これはセキュリティ更新、セキュリティ以外の更新(修正)となります。
MECM上の表記について
機能更新は “機能更新プログラム”、セキュリティ更新は “品質更新プログラム” または “拡張品質更新プログラム” と表示されます。
“拡張品質更新プログラム”は、最新バージョンではないセキュリティ更新、および、セキュリティ以外の更新を指します。
例えば、上記の例では、バージョン 2402 は “品質更新プログラム” であり、2308 と 2302 は “拡張品質更新プログラム” となります。
Office 2019/2021 LTSC
ボリュームライセンス版の Office 2019/2021 LTSC では、セキュリティ更新、セキュリティ以外の更新(修正)のみが公開されています。
これらの Office はそれぞれ、Microsoft 365 Apps のバージョン 1808、2108 を元に製造されており、基本的な考え方は同一となります。
パッケージ版 Office 2016/2019/2021
これらの Office は Microsoft 365 Apps を元に製造されており、基本的な考え方は同一となりますが、
バージョンが上がったとしても機能更新は含まれず、セキュリティ更新、セキュリティ以外の更新(修正)のみが公開されています。
Office 2016
ボリュームライセンス版の Office 2016 では、セキュリティ更新、セキュリティ以外の更新(修正)のみが公開されています。
こちらの Office は、クイック実行形式 (C2R) ではなく Windows インストーラー形式 (MSI) であり、モジュール単位で更新プログラムが公開されています。
MECM上の表記について
C2R形式の Office の更新プログラムは、Microsoft Update Catalog 上の “分類” は “更新” で統一されておりますが、
MSI形式では “セキュリティ更新” は “セキュリティ問題の修正プログラム”、”セキュリティ以外の更新(修正)” は “重要な更新” と表記されます。
- 関連情報
クイック実行形式 (C2R) と Windows インストーラー形式 (MSI) を見分ける方法
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