こんにちは、Office サポート チームの中村です。
今回の記事では、Microsoft 365 / Office 2016 / Office 2019 の以下のバージョンで、Office アプリケーションの終了指示を出した後、バックグラウンドでしばらくプロセスが残存する動作について記載します。
現象
通常通り Office アプリケーションの画面操作を行って×ボタンで終了したり、プログラムからの Office 操作で Quit メソッドによりアプリケーションを終了すると、Office アプリケーションの画面は消えるものの、タスク マネージャー等で確認すると、バックグラウンド プロセスとして 20 秒程度プロセスが残存した後、自動的に終了します。
発生バージョン
バージョン 2005 (ビルド 12827.20470) 以降、バージョン 2006 (すべてのビルド) まで
Microsoft 365 では、現在のチャネル / 月次エンタープライズ チャネル向けにこのバージョンが提供されています。
Office 2016 / 2019 は、市販パッケージ製品 (FPP) および PC プリインストール製品 (PIPC) にこのバージョンが提供されています。
原因
Office アプリケーションは、製品の改善のためにアプリケーションの利用状況などを診断データ (テレメトリ データ) としてマイクロソフトに送信しています。
従量課金ネットワークにおいてこの診断データの送信が短時間に繰り返され、CPU 使用率が高騰する問題が確認されました。バージョン 2005 (ビルド 12827.20470) で、この問題への対応として診断データの送信に待機時間を設けたところ、通常のネットワークにおいても診断データの送信に待機時間が生じるようになったために発生します。
対応状況
バージョン 2007 で通常ネットワークでの動作を修正し、従来通り、アプリケーションの終了操作後すぐにプロセスが終了するよう対応しました。
ただし、以下の場合にはバージョン 2007 以降も引き続き本動作によるバックグラウンドでのプロセス終了遅延が生じます。
・ 従量課金ネットワークの場合
※ 従量課金ネットワークは OS の [設定] 画面より確認できます。
Windows 10 での従量制課金接続
https://support.microsoft.com/ja-jp/help/4028458
・ ネットワークに接続されていない場合
Microsoft 365 / Office 2016 / Office 2019 は、診断データの送信先を含む、以下で公開している接続先にインターネット接続が可能な構成で利用いただくことを想定しています。
Office 365 URL および IP アドレス範囲
https://docs.microsoft.com/ja-jp/office365/enterprise/urls-and-ip-address-ranges
本現象に関して、約 20 秒程度プロセスが残存すること以外に Office の動作への影響は確認されていません。
他の影響として想定されるものとしては、Office プロセスの終了監視を行うような製品を利用している場合に、終了の検知が遅れることが考えられます。
今回の投稿は以上です。
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